こんにちは。株式会社インバンカーの代表、稲葉です。
中小企業経営者の皆さんがよく経験する現象として、「利益はあるのに、なぜか手元の現金が少ない」という状況があります。
これは、「勘定合って銭足らず」とも表現され、場合によっては黒字倒産のリスクにもつながります。
この問題を理解し、資金の流れを適切に把握するためには、キャッシュフロー計算書が非常に有効です。
キャッシュフロー計算書の役割と重要性
キャッシュフロー計算書は、貸借対照表や損益計算書と並ぶ財務諸表の一つであり、会計期間におけるキャッシュ(資金)の増減を営業活動、投資活動、財務活動ごとに区分して表示します。
この計算書を通じて、損益計算書では利益が出ているのに現金預金が減少している原因や、企業が得た資金がどの活動からのものか、また営業活動で得た資金がどのように使用されたかを明確に把握できます。
1. 営業活動のキャッシュフロー
営業活動からのキャッシュフローは、企業の本業による現金収支を示します。
売上高、売掛金の回収、仕入れや人件費の支払いなど、日々の経済活動における現金の動きを詳細に把握することで、経営者は事業の健全性を評価できます。
2. 投資活動のキャッシュフロー
投資活動からのキャッシュフローは、企業が将来の成長のために行う設備投資や、他企業への投資などの現金の動きを示します。
これにより、企業の成長戦略が現金収支にどのように影響を与えているかを確認することができます。
3. 財務活動のキャッシュフロー
財務活動からのキャッシュフローは、借入金の返済や新たな借入、配当金の支払いなど、企業の資金調達活動における現金の動きを示します。
これにより、企業の資金調達戦略が現金収支にどのように影響を与えているかを把握できます。
キャッシュフロー計算書の作成と活用
中小企業において、キャッシュフロー計算書はまだ十分に浸透していないのが現状です。上場企業では作成が義務付けられていますが、中小企業にはその必要がないため、その重要性が見過ごされがちです。
しかし、キャッシュフロー計算書を作成し、活用することで、企業の現金収支を詳細に把握し、適切な経営判断を下すための基盤となります。
キャッシュフロー計算書の作成手順
現金の収入と支出の把握
すべての現金収入と支出を月別に記録し、各項目を営業活動、投資活動、財務活動に分類します。
キャッシュフローの計算
各活動ごとのキャッシュフローを合計し、全体のキャッシュフローを算出します。
キャッシュフローの分析
計算したキャッシュフローを基に、企業の現金収支の状況を分析し、問題点や改善点を明確にします。
キャッシュフロー計算書の活用方法
資金繰りの改善
キャッシュフロー計算書を基に、企業の資金繰りを詳細に把握し、必要に応じて資金調達やコスト削減の対策を講じます。
投資計画の策定
投資活動のキャッシュフローを分析し、将来の設備投資や新規事業への投資計画を立てます。
財務戦略の見直し
財務活動のキャッシュフローを分析し、適切な借入金の返済計画や新たな資金調達の方針を決定します。
キャッシュフロー計算書の重要性
資金繰りの正確な把握と適切な計画は、経営の安定と成長に直結します。
銀行との良好な関係を築くためにも、キャッシュフロー計算書をはじめとする経営資料の作成と分析は欠かせません。
インバンカーは、中小企業の皆さんがこの重要なツールを最大限に活用できるよう、全力でサポートいたします。
さらに、キャッシュフロー計算書を作成することで、企業は投資や財務活動による資金の動きを明確に把握し、必要に応じて迅速に対応策を講じることができます。
例えば、営業活動で得た資金が設備投資や借入返済にどれだけ使われているかを知ることで、資金繰りの改善策を立てる際の重要な手がかりとなります。
インバンカーのサポート
インバンカーでは、中小企業がキャッシュフロー計算書を効果的に活用できるよう、作成支援や読み解き方についてのアドバイスを提供しています。
中小企業の経営者が自社のキャッシュフローを正確に把握し、適切な資金管理を行うことで、より安定した経営基盤を築くことが可能です。
まとめ
キャッシュフロー計算書は単に銀行との融資交渉において有利な材料となるだけでなく、企業自身が資金の流れを正確に把握し、適切な経営判断を下すための基盤となります。
中小企業の皆さんがこの計算書を作成し、それを経営の指針として活用することで、より一層の企業成長を目指すことができます。インバンカーは、その一助となるべく尽力します。
お困りのことがあれば、ぜひインバンカーにご相談ください。皆様の経営を支えるパートナーとして、全力でサポートいたします。
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